ナショナル・エコノミーのすすめ

1. はじめに

今回はずっと紹介したかったナショナルエコノミー・メセナというカードゲームについて簡単に紹介しようと思います。

昨年ナショナルエコノミー(無印・前作)を使って管理会計の中期計画を考えるワークショップをしたんですが、これがゲームとしても面白いし、経済の仕組みを考えたりや中長期計画を立てる思考訓練として非常に好評だったので今回この記事を書くことにしました。前作の無印は以下のリンク先の通りプレミア価格になっているので新作のメセナを紹介したいと思います¹。

普段アナログゲームなんてしそうにないゼミ生に紹介したら大ヒットだったので、アナログゲーム初心者にもオススメです。

個人的な面白ポイント

  • 運だけでなく他のプレイヤーとの駆け引きを楽しめる
  • どういう風にゲームエンドまで進めるか戦略を立てるのが楽しい
  • 当初の計画を大胆に放棄して方向転換して勝てるとアドレナリンがすごい
  • 現金は使うためにあるという感覚が良い
  • 経済というものになんとなくイメージがつく

以下では簡単なルール説明をします。

 

2. ゲームの目的

ゲーム終了時の得点で競うゲームです。プレイ人数は1〜4人、プレイ時間は公式には30〜45分です。

得点はゲーム内で築いた資産です。資産の築き方としては①建物の建設②現金の収集③勝利点の獲得(名声を集めるような行動に勝利点が付いてくると理解しています)の3通りがあります。

プレイヤーは手元の労働者カード、現金カード、手札(建物カードおよび消費財カード)を駆使して得点を積み上げていきます。

 

3. ゲームのシステム

プレイヤーが能動的にできるのは手持ちの労働者を各施設(建設済みの建物と公共職場)で働かせることです。これを各プレイヤーが順番に行って進行していきます。

  • 労働者と賃金

これが労働者カードです。プレイヤーごとに色が異なり初期には2枚ずつ配られます。つまり最初の1ラウンドでは各プレイヤーはそれぞれ2人ずつ動かすことができます。この労働者にはラウンド終了時に賃金を支払う必要があり、その賃金は家計として全プレイヤー共通でプールされていきます。ちなみに妻からは「このおっさん、あなたに似てるね」と言われます。

  • 労働者が働ける場所:公共職場カードと建物カード

左の紫のカードが初期公共職場カードの一つです。ゲームスタート時点から市場に出ています。公共職場カードはラウンドが進むに連れ増えていきます。右の茶色のカードがプレイヤーが建設できる建物カードの一つです。プレイヤーによって建設された建物は職場として機能するものがほとんどです。労働者をここに置くと説明文の内容が発動します(注: 画像の植物園はゲームエンドまで効果なし)。

建物カードの下の方に数字が書いてありますが、それが資産価値(=得点)です。プレイヤーは建設すると占有施設として自己所有できます。これをたくさん建設して所有資産を増やすのです。このカードは手札として最初に配られる建物カードの他、建物カードの山から引くことで手に入れることができます。建物カードは手元にあるだけでは得点にはなりません。建設のための職場に労働者を派遣し、左上の数字の数だけ手札を捨てなくてはいけません。手札もまた手札を引ける職場に労働者を派遣することで得られます。また建設はできませんが消費財カードというカードも手札として建設に使えます。なお建設するだけではカードに書かれたカードの効果は発動しません。建てた後に労働者を派遣して初めて効果が発揮されます。

ここでポイントなのは現金で建てるのではなく手札で建てるという点です。この世界ではアイデアと現物が強いのです。ちなみに娘(4歳)はこの建物カードの一つである「旧市街」のことをインスブルックと呼び必ず建設しようとします。

  • 現金の使い方

現金は労働者への賃金として使うだけなのです。そして現金を獲得する手段も限られていて、自分の建てた建物を市場に売却する(政府から現金をえる)か、手札を家計に売却する(家計から現金をえる)かのどちらかです。ただし後者の場合、家計にお金がないと得られません。

  • 運要素

このゲームの運要素は手札にどんな建物カードがくるかという点です。最初に高得点だけど建設コストの高い(たくさんの捨て札が必要な)カードがきても建設できませんし、後半に建設しやすいけど得点が低いカードばかりでも高得点が狙えません。なので、どのカードをキープしどのカードを捨てるかを考えることが非常に重要。

  • 駆け引き要素

他のプレイヤーとの駆け引き要素としては①施設の占有②家計からの現金の引き出し③労働者を何人雇うかなどがあります。

一つの職場は一部を除き各ラウンドで1人のプレイヤーしか使えません。自分が狙っている職場を順番がくる前に使われてしまったりもします。逆に相手が使いそうな職場を先に使ってしまうことで妨害したりもできます。

また家計も有限なので各プレイヤー同士の奪い合いになります。例えば先に家計から現金をたくさん引き出してしまえば、他のプレイヤーに渡る現金が減り、結果的に他のプレイヤーは労働者に賃金を払うために、自分で建てた建物を売却せざるを得ない状況を生み出すことができたりします。ちなみに娘(4歳)は消費財カードに書かれた果物が好きで集めたがります。そして家計に売り払い家計の現金を独占します。そして両親は現金がショートして施設を手放す羽目になります。

労働者は多ければ多いほど手数が増えるので有利になります。しかし労働者が増えれば賃金も増える上に、ラウンドが進むと支払賃金の単価も上がっていきます。なのでいつ労働者を増やすかが明暗を分ける展開も多いです。

ナショナル・エコノミーのすすめ

以上簡単ですが、どんなゲームかということとゲームのポイントを説明しました。このゲーム、現金を稼ぐだけでも勝てることもありますが、高得点は狙いにくいです。施設を建てて社会に還元することで現金を増やし労働者をたくさん雇い家計を潤していくと、結果的に自己資産が手元に残るようになってきます。そして現金の管理も大事です。なんとなく経済がぐるぐる回ってる感じがつかめるかと思います。

というように面白い上に経済の感覚も何と無くつかめ大変良いです。細かなルールはまだあるのですが、慣れてしまえばそんなに難しくありません。最初は付属の説明書を読みながらでも、ぜひ挑戦してみてください。

注1  ちなみにメセナと無印の主な違いとしては無印は垂直統合(特定の種類の設備を集中的に建設するとボーナス特典)の威力が半端なく強かったんですが、メセナではこれが弱体化され、ゲーム中には利用価値がないけれど最終得点への加算が美味しい設備が追加されています。数回しかプレイしてませんがメセナの方がバランスが良くなっている感じです。

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