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ナショナル・エコノミーのすすめ

1. はじめに

今回はずっと紹介したかったナショナルエコノミー・メセナというカードゲームについて簡単に紹介しようと思います。

昨年ナショナルエコノミー(無印・前作)を使って管理会計の中期計画を考えるワークショップをしたんですが、これがゲームとしても面白いし、経済の仕組みを考えたりや中長期計画を立てる思考訓練として非常に好評だったので今回この記事を書くことにしました。前作の無印は以下のリンク先の通りプレミア価格になっているので新作のメセナを紹介したいと思います¹。

普段アナログゲームなんてしそうにないゼミ生に紹介したら大ヒットだったので、アナログゲーム初心者にもオススメです。

個人的な面白ポイント

  • 運だけでなく他のプレイヤーとの駆け引きを楽しめる
  • どういう風にゲームエンドまで進めるか戦略を立てるのが楽しい
  • 当初の計画を大胆に放棄して方向転換して勝てるとアドレナリンがすごい
  • 現金は使うためにあるという感覚が良い
  • 経済というものになんとなくイメージがつく

以下では簡単なルール説明をします。

 

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ベイマックスとFROZEN。

バンコク行きの飛行機の中でベイマックスをみました。
なお,まだ予告編も本編も見たことがなくてこれから見るつもりのある人は,予告を見ずに見た方がいいかもしれません。

今回はそれとアナと雪の女王との関連で思ったことをメモしておこうと思います。 続きを読む

人間とその限界。

先日トランセンデンスとLUCYを立て続けに見ました。

トランセンデンスというのはジョニーデップ主演の映画ですから,公開時ポスターぐらいは印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
人間の脳をインターネットにつながるスーパーコンピューターにアップするという設定の映画で、最近話題になった、シンギュラリティ(技術的特異点:テクノロジーが人間の能力を超える点)後を考えるような話です。
あるいは人工知能と人間の意識(夢とか愛とか)がテーマの話で、意識とは何か、テクノロジーはそれじたいが意識を持つことがあり得るのか、あるとしたらどんな意識で、どうなるの?という問いにある意味一つの答えを出したような話かもしれません。
これを見ながらテクノロジー対人間という構造がなぜ起こるのだろうと考えずにはいられませんでした。
ターミネータのサイバーダイン社は人間を支配しようとしたけど、その意図はなんなの的な。
もしかしたら猿の惑星も同じテーマなのかもしれないなあ。猿と人間なんで対立するのか。
そんなことや、タイトルになってるトランセンデンス(超越)とはなんだとか考えながら観ると面白いかも。

そのあと,LUCYというスカーレットヨハンソン主演の映画も見ました。
これは脳の限界を突破するとどうなるかってテーマで,人間の脳のニューロネットワークを100%使えるようになっちゃったらどうなんのみたいな話です。
脳が限界突破すると世界中の知識を吸収しだして世界を理解しようとし,その顛末が描かれていきます。
スカーレットヨハンソンのかっこかわいさが光るし,リュックベッソンの映像表現(当然のごとくカーチェイスもある)と勢いの良いままコンパクトにまとめちゃう構成は相変わらずでした。
それを爽快だととるのか物足りないととるのかは人によるかもしれないけど,個人的には楽しめました。

人間を超越するという意味でトランセンデンスとLUCYとを対比させるレビューは多いけど,もう少し深読みすると,超越するとどうなるかってところでは結構違いがありそうです。超越することによって表出するのは人間の最も本質的な部分であって,その本質の捉え方に違いがある感じがします。

トランセンデンスは人間の本質として愛を描き出そうとしたけど,LUCYは人間の本性は好奇心と種(というか情報)の保存?であるとそんな人間観があるのかなあなどとぼんやり考えこんでしまいました。

またトランセンデンスとLUCYは映像によるメッセージの伝え方もだいぶ違うように思います。トランセンデンスは激しくないけど細かい心理描写で丁寧に丁寧にある意味迂遠に描く一方で,LUCYは上にも書いたように勢いと感覚。どっちも背後のテーマを読み取ろうとするとわりと難しい描き方だなあと思うけども。

そんな充実したマイSF鑑賞ブームでした。ま,この捉え方が監督の描きたかったことなのかはわからないけども。

どちらもオススメの映画です。